ナザレ

　オビドスから約４６㎞で、高原地帯から海岸に降りてくる。大西洋の波が押し寄せてくる広大な砂浜では、無数のカモメが屯し、若者がサーフィンを楽しんでいる。年寄りは、海岸縁の道路際で日向ぼっこをしながら、雑談にふけり、老人は孫相手に遊んでいるといったのんびりとしたところである。その町はずれでテント型のレストランで取れ立ての新鮮な鰯の塩焼きを三匹それぞれの皿に付け分けられている。それだけでおなか一杯になる。この海岸の上は崖になっており、昔騎士が霧の立ちこめる中を馬で走っているとき聖母マリアが現れ、崖際で立ち止まることが出来、そのことに感謝して、小さなお堂建てる。そこが一つの聖地のようになり、観光の場となっている。なかなか見晴らしのよいところである。