豪華客船「プリンセス・クルーズ」に罰金刑 2016-12-06

グランド・プリンセス
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寝られぬままに、ネットでニュースを見ていたら、この記事を見つける。
プリンセス・クルーズ社の船には、5回乗船しているので、どういうことかと呼び出して読んだ。
その内容は、世界で人気の豪華客船ツアーだが、実は海洋・環境汚染の大きな原因になっているとのこと。排出される下水、油漏れ、船内で莫大な量が用意され
る飲食物の廃棄処分、そしてコストダウンのため処理プロセスがずさんであることも多く、行政の業務改善命令に虚偽の報告で大変な罰金刑を食らった。その額
は5,000万ドル。日本円で45.5億円である。
ことの発端は、2014年3月に、法務省がテキサス州ヒューストンで以下の4隻の客船について調査したところ、不正なバルプやバイパス装置の存在が発覚。
2009年からはイギリスの排他的経済水域などに大量の汚染廃棄物の投棄を行い、報告データの改ざんするなど隠蔽が日常的であったことを突き止めた。ま
た、巨大な豪華客船の運航には大変な環境汚染を生む特殊かつ廉価なディーゼルエンジン用燃料を一隻あたり1日平均10万リットル使用し、海を汚しているこ
とが知られ、近年は寄港地で歓迎されないことも起きているそうである。
こうした違反の7件についてこのほど有罪の判決が出て罰金を支払うよう命じられた。
調査対象の船は、以下の通り。
スター・プリンセス(2002年就航、108,977t )、グラント・プリンセス(1998年、101,353t )、左の同型船であるゴールデン・プリンセス(2001年)、コーラル・プリンセス(2003年、91,627t )
私たちが乗船した船は、次の通り。
サファイア・プリンセス 2012年9月アラスカクルーズ、2012年 12月ハワイクルーズ
サン・プリンセス 2013年6月韓国・台湾クルーズ
ダイヤモンド・プリンセス 2015年2月ニュージーランド・オーストラリアクルーズ、2016年5月北海道・樺太クルーズ
サファイア・プリンセスとダイヤモンド・プリンセスは、三菱重工製造の日本製である。2004年から就航しており、115,875t で乗客定員が2,650人という巨大な客船である。サン・プリンセスはそれよりは小さく76,049t で1995年から就航している。
話は変わるが、これは新聞で読んだ記事であるが、来年9月には、「船舶バラスト水規制管理条約」という国際条約が発効するそうである。以前から問題になっていたが、外航船に付着した海生生物が繁殖して被害を被るのを防止するためのものである。
バラスト水とは、空船で航行すると転覆の恐れがあるので、海水を注入し船の安定を保つもので、貨物を積載するときはバラスト水を排出する。そのために注入されたバラスト水の中にいた海生生物が
寄港地で繁殖して被害をもたらすということである。例えばオーストラリアでは、日本のワカメが繁茂して漁業被害があったとか、無害の貝が毒性のプランクトンが運ばれ、それに汚染して毒を持つ貝になってしまつたという被害も起きているとのこと。
来年9月以降、このバラスト水を浄化する装置のない船は入港を阻止されてり、拿捕されることもあるそうである。また、7000トン以上の船に対策が必要であり、一隻あたり数千万円から一億円の費用が必要であるとか。日本船の70%にその対策が必要であるとも言われている。
とりあえず、もう少しはクリーズを楽しみたいので、きちんとした対策が取られることを祈っている。
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