中村家住宅(国指定重要文化 財)

 中城城跡のすぐ西側を下ったところに、中村家があり、今日は地域の行事の関係か、300円の入館料が無料。駐車場が満杯に近いほど、大勢の人が来 ていた。しかも、この住宅や中庭で、地元作家による陶芸品の即売しており、早速瑠璃子さん、お土産にと爪楊枝入れを購入。私も灰青色のとっくりを買う。 600円也。案外やすい。
 ここの中村家はこの地域の庄屋さんであり、かって中城の城を築いた一統でもあったとか。

 解説によると、現存する建物は18世紀中頃に建てられたと伝えられている。建築構造は、鎌倉・室町時代の日本建築 の流れを伝えているが、各部に特殊な手法が加えられて、独特な住居建築になっている。この遺構は、士族屋敷の形式に農家の形式である高倉、納屋、畜舎等が 付随して沖縄の住居建築の特色をすべて備え持っているそうだ。屋敷は、南向きの緩い傾斜地を切り開いて建てられており、東、南、西を琉球石灰岩の石垣で囲 い、その内側に防風林の役目を果たしている福木を植え、台風に備えている。母屋(ウフヤ)は、一番座(客間)、二番座(仏間)、三番座(居間)となっている。裏には各一間づつ 裏座があり、寝室、産室として使用された。
三番座の前方にはナカメー(中前)という板間がついていて、畳間は、すべて6畳かそれ以下で、当時の農民にはその大きさしか許されていなかったといわれて いる。柱は、琉球王府時代に首里の士族の家屋を移したと伝えられており、柱のすべて、当時農民には使用を許されていなかったチャーギ(イヌマキ)、イーク (モッコク)が使われている。


 正面門

  屋根のシーサー

  左から二番座、一番座

  裏山にある庭

 中庭

 門左奥よりアシャギ縁側方を

 アシャギ縁側

 古さびた独特の味わいのある住宅で、解説にもあるように低くて、部屋もあまり大きくない。屋敷をぐるりと一周すると、裏山の斜面を利用して庭が造 られている。枯山水に石の太鼓橋が架けてあり、植木は南方だけに、とっくり椰子などの熱帯樹木が多かった。屋敷全体の赤黒い屋根瓦を裏山の小高いところか ら眺めると一段と落ち着いた雰囲気で、沖縄の独特の感慨を堪能した。


  アシャギ前にあるサトウキビ絞りの石臼か?

 高倉

 二番座、正面に仏壇

 一番座

 三番座

 台所

 井戸

 左中前 右高倉

 豚舎

 住宅の中や前には、下のような花があり、特に目を引いたのは、エジプト考古学博物館前にあった水色の睡蓮がここにもあった。

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